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音響コラム04|音場設計のための内装造作のススメ
【音楽スタジオの造作のコツ】
音響に関わる部屋(大音量を扱う部屋)の遮音の作り方を知っていらしゃる方は実は少ないと思います。
専門の施工業社さんでない限り実際にノウハウを知ってる方は、ほとんどご存知ないと思います。
防音工事をネットで調べてみると、
壁や床に遮音シートを挟んでみたり…
厚みのある石膏ボードを使ってみたり…
床に細かい砂を詰めてみたり…
どれも材料費が増える方法ばかりです。
もちろん材料が豊富に使える予算があれば問題ないですが、
遮音工事は細かく地道な努力が必要です。
根性論みたいな書き方をしてしまっていますが、後述で詳しく説明していきます。
遮音は、音の漏れる隙間をどのくらい潰すことができるのかが重要になってきます。
目につく隙間はすぐに処理できますが、
「そう言えばここにも穴が空いている、あっあそこも!」
と言うように、どこまで細かい穴(音漏れ原因)に気づいて処理できるかです。
【画像(地道な努力)】
内装壁面には剛性と質量が最も重要!
防音工事において壁面の作り方は、質量と剛性が重要です。
こちらも併せて読んでみる:「音響コラム|剛性と質量を考える」
壁面の質量は石膏ボードの厚みと積層方法を適切に選択することです。
積層の厚みが同じ25mmとした場合、
25mm厚のボードを1枚使うよりも
12.5mm厚のボードを2枚使う方が遮音性能はよくなります。
これは積層のボード間の境目で密度が、
ボード→隙間→ボードのように密度が変化して、
音の振動のエネルギーが減衰するタイミング(黄色ハイライトの矢印)が多いからです。
この黄色の矢印の回数が多いほど音は減衰します。
ただし石膏ボードを積層する枚数にも限界はありますので、
吉野石膏が展開しているタイガースーパーハードを選択することも良いでしょう。
こちらは、一般的な石膏ボードよりも、
・曲げ破壊荷重は通常の約2倍
・表面の硬さは通常の石膏ボードの4倍
ということなので、同じ厚み積層枚数や積層順序でも
通常の石膏ボードよりも音響的性能をあげることができます。
もう一つは、石膏ボードに適切に接着剤をつけること+ビスで更に固定する事です。
我々はこの事を「接着+ビス工法」と呼んでいます。
一般的な工法で2層貼りの場合は、
2層目の石膏ボードを張る時、接着剤+タッカー(接着剤の設計強度が出るまでの仮止め)ですが、
剛性はしっかり接着できればできるだけ上がっていきます。
一般的施工でははあまり手間がかかるのであまり行われていませんが、
少しの手間でも積み重ねで出てくる時間が工期に影響してくるので、
この施工方法が敬遠されている所以だと思います。
なぜボードに接着剤+ボードビスで固定することが重要なのかと言うと、
石膏ボードと下地との剛性(固定強度)を少しでも上げる為です。
遮音処理の作業は、最初述べたように細かく地道な努力です。
もう一度…
細かく地道な努力です。
この手間が最初に述べた【 剛 性 】につながります。
またしっかり固定されることで壁1面の【 質 量 】も上げることができます。
壁の隙間(貫通穴)を徹底的に最低限に留める!
建具の隙間…
エアコンのダクト貫通…
換気扇の貫通口…
コンセントの貫通口…
よく考えてみると部屋で人が過ごすために壁や天井を貫通するものが意外と多いです。
処理しなければいけない隙間(開口)は意外と挙げられます。
ま と め
・どんな隙間であっても見逃さない。
→隙間には徹底的にコーキング処理をする
・外との貫通口の総面積を可能な限り最小限に留める。
→コンセントは壁コンセントではなくコンセントボックスにする。
→換気扇や空調の開口は配線/ダクト分の貫通のみに留める。
・壁と下地を可能な限り緊密に固定させる。
→固定物は接着剤等で全体が一体化するように努める。
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