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音響コラム08|定在波・フラッターエコーを考える
不快な残響音や詰まった音の正体は?
その界隈の仕事をしている人でないと聞き慣れない言葉…。
というよりもご存じない方も多数いらっしゃるはずです。
1. 定在波
2. フラッターエコー
少し音響をかじっている人でも、
上記の2つを同じ定義のものとして認識している人もいます。
(ちなみに私もこの仕事に関わるまで恥ずかしながら一緒だと思ってました…)
どちらも発生する環境と現象は似ており、
ヒヤリング環境へ悪影響を与えることには変わりありませんが、
異なるのは、アプローチと対策方法です。
ここで改めて再度認識と定義をおさらいします。
1.定在波とは
平行壁面間で発生する、比較的低い周波数帯で起こる現象
周波数特性の乱れを顕著に受け、音の立体感や明瞭さが失われる。
2.フラッターエコーとは
平行壁面間で発生する、比較的高い周波数帯(中高域)で起こる現象
聴覚上、不自然な反響音によりの会話の明瞭度を下げてしまうことに繋がる。
文章で書いてみるとほとんど発生するまでのメカニズムと音への悪影響は同じですね。
では、それぞれ分類されている理由と対策について次項で述べていこうと思います。
定在波/フラッターエコーの各対策方法
定在波は前述した通り、比較的低い周波数帯で発生すると述べました。
低い周波数帯で起きる現象なので、後から対策すると言うのが実は難しい内容でもありますが、対策方法は下記の通りです。
1.平行壁面をなくす(部屋の形状の設計段階から検証する)
2.低音域に作用する吸音/拡散製品を配置する
3.音源の位置を調整する
1.の平行壁面をなくすのは、新築かつ設計の段階でないとどうしようもないです。
おそらくこの記事に辿り着いている方は、1.の対策はできない前提と考えます。
(新築設計の段階で検討できている方は、もっとハイレベルの空間を作られていると思いますので)
2.の低音域向けの吸音製品ですが、
よく市販で大量に売られているようなスポンジ状の吸音材は、
低音域がメインの定在波への効果があまり見られません。
俗に100Hz以下を対象周波数帯として設計している、
ベーストラップ(バストラップ)と呼ばれる三角柱型(メンブレン型)の製品が、
よく流通していますが一般向けの製品は海外/国内共に種類はそこまで多くないです。
種類がそこまで多くない製品なので、そんな悩みを抱えられている方向けに展開した、
吸音製品「Waecho Acosticシリーズ」がありますので、
一度ご参考にしていただけると幸いです。
部屋の入隅に溜まりやすい定在波を改善するためにコンセプトから素材の選定・寸法・形状、はたまた製造まで全て自社で設計製造管理まで行っています。
ご興味が湧いた方は、上記のURLもしくはお取扱店でぜひご覧になってみてください。
3.音源の位置を変えると定在波の発生ポイントも多少は変化するので、置き方や配置を変えてみるのも一つの手です。
最近のスピーカーだとDSP (Digital Signal Processor)で、
ルームアコースティックを即座に分析して調整してくれる機能がついているものもあります。
その機能の助けを経て、希望のリスニングポイントで最善の音環境を作ることも
対処療法的ではありますが、対策のひとつにはなると思います。
にしても、定在波に関しては低音域で対象周波数帯が狭いので、
部屋の形状ありきで対策を考えることが非常に難しいところであります。
フラッターエコーの対策方法
フラッターエコーの対策方法は、定在波に比べ対策の方法は多分にあります。
・床面のカーペットの敷設 / カーテンの設置
・本棚やソファーのレイアウト変更
・壁に拡散パネルや吸音パネルの設置
上記に挙げた対策方法を見て貰えばわかる通り、
思い立ったらすぐできるような内容が多いと思います。
カーペット/カーテンの設置や吸音パネルの設置は、
フラッターエコーを解消するのに効果がありますが、
一方で吸音処理を行っていることになるので、
音の情報量が減ってしまうので、少しずつ吸音する面積を増やしていって、
吸音処理する範囲は調整の上行っていただいた方がいいと思います。
吸音材も一気に買うと高いですし、
少しずつ買い揃えていって、最終的な希望リスニング環境を整えていくのが、
賢いひとの部屋の作り方です。
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